今の生活空間は最初から狙って作ったものではありません。実際に山で過ごし、環境に揉まれる中で、徐々に最適化されていきました。
最初はテントで暮らす
最初は18㎡のドームテント1張りで済ませるつもりでした。設営も撤収も自由で、コストも最小限。山林での生活には理想的に思えました。
ドームテントのスペック
- 広さ: 直径約5m(約18㎡)
- 材料: 塩ビパイプ、防炎シート、散水ホース(ジョイント用)など
- 材料費: 約5万円
- 構築期間: 約3日
- 用途: 寝床、調理、収納など
しかし、実際に暮らしてみると、山の湿気と強風が想像以上に厳しく、テント1,2枚の壁では安らげる寝床としては心もとありませんでした。
生活を続けることは可能でしたが、身体の回復に時間がかかり、他の活動に使える時間や体力が削られる現実がありました。
3畳小屋の構築
テント生活による時間と体力の消耗を減らすため、最小限の気密空間として3畳の小屋を建てることにしました。
小屋のスペック
- 広さ: 3畳(約5㎡)
- 材料: 12mm厚の合板、2x4角材
- 材料費: 約12万円
- 構築期間: 約14日
- 用途: 寝床、冷凍庫、収納
一般的なツーバイフォー(2x4)構造で断熱材も入れてませんが、湿気と強風から身体や物資を守るには十分でした。安眠が確保されたことで日中の活動に使える体力が増え、収納物が防湿されることで長期外出する安心感も増えました。
寝床を小屋に移した結果、ドームテントには薪ストーブとそれを取り囲む広い空間が残りました。
小屋とテントの2点生活
小屋を建てた後、生活にいくつか変化がありました。
1. 通年小屋で寝る
当初は「夏は暑いから寝床はテントに戻るかも」と考えていました。しかし、小屋で換気をすれば夏も涼しく快適なことが分かり、結局一年を通して小屋で寝ることに落ち着きました。
2. プライバシーの確保と応接間
3畳の小屋は、寝床や収納、家電などを詰め込んだプライベート空間になりました。小屋を寝床と決めたことで、18㎡のドームテントは気兼ねなく人を呼べる応接間として機能するようになりました。
3. 運搬の手間にカゴを利用
空間を分けた結果、食料を小屋(冷凍庫)からドームテント(薪ストーブ)へ運ぶ手間が発生してしまいました。この不便さを解消するために大型のカゴを導入し、必要なものをまとめて運ぶようにしました。しかし忘れ物もよくします。何度も往復してしまう時は、頭が働いていないことに気がつくバロメーターになっています。
現在の使い分け
テントのみの生活を諦めたことによって生まれたこの形ですが、今では以下のように使い分けています。
3畳小屋
- 主な用途: 寝床、収納、家電利用、座卓作業
- 位置づけ: プライベート・安眠・避難場所
18㎡ドームテント
- 主な用途: 薪ストーブ、調理、シャワーや風呂、人を呼ぶ応接間
- 位置づけ: パブリック・多目的・火を楽しむ空間
雨風の日は小屋に籠もっていることが多いです。しかし、雨の日にあえてドームテントで薪ストーブを焚いて過ごすのも一つの嗜好です。テント一つで湿気や寒さを追い払いながら過ごした時を思い出します。